キャッシュマネジメント

資金効率の向上

本日は手元資金の有効活用と資金効率の向上に関する記事になります。

企業は事業を行うために支払、回収といった資金循環を行い、資金循環を円滑に安全に行うために資金繰りや流動性リスクの管理をしています。

キャッシュマネジメントとはその活動を安全かつ効率的に行おうというもので、これから説明する手元資金の有効活用は効率性を高めるためのものになります。

手元資金の有効活用とは

手元資金を有効活用とは、手元資金を適正量に保ちつつ、残りの余剰資金を有効活用することで利息収支を改善しようとするものです。

仮に、事業の運営において、企業が適正量の短期借入を保有しているとみなすと、余剰資金は有利子負債の返済に充てられます。

そのため、手元資金の有効活用とは必要以上にある手元流動性を有利子負債の返済に充当し、有利子負債の利息負担を減らそうというものになります。

期待できる効果は

手元資金の有効活用に関する具体的な話に行く前に、期待できる効果を見ていきます。

手元資金を有効活用により、有利子負債が削減されるため、下記の通り、PL面においても、BS面においても効果が期待できます。

【期待できる効果】
・有利子負債の削減による支払利息の削減
・負債の返済によるバランスシートのスリム化
・バランスシートのスリム化によるROAの向上

これらの効果はどれも目に見えてわかるもので、キャッシュマネジメントを考える上ではまず一番初めに狙うべき部分となります。

手元資金は最大限に有効活用されているのか

「余分に持つ手元資金は借入の返済に回し、借入利息負担を減らしましょう。」というと、すごく当たり前のことで、すでにどの会社でも実行されているようにお思いかもしれません。

しかし、本当にそうなのでしょうか。この機会に考えて見ましょう。

企業単体で見ると手元資金は有効活用されている

あなたの会社は手元資金が最大限、有効活用されていますでしょうか。

あなたの会社で必要な手元流動性がいくらと明確に定義され、常にその残高が維持され、余剰資金は有利子負債の返済に回されているでしょうか。

恐らく、答えはYESの場合が多いかと思います。

よほど、経理・財務マネージャーに落ち度がない限り、資金繰り予測から適切量の資金調達し、常に残高を管理しているからです。

企業連結で見ると手元資金は有効活用されているケースは少ない

一方、あなたの会社ではグループ(企業連結)で必要な手元流動性がいくらと明確に定義され、常にその残高が維持され、余剰資金は有利子負債の返済に回されていますでしょうか。

恐らく、多くの場合、グループ会社が現時点でいくら手元流動性を持っているかも知らないケースがほとんどで、答えはNoであるケースが多いのではないでしょうか。

特に海外子会社の資金が課題

特に国内外にいくつものグループ会社を持つ大企業で働いている方々は、親会社単体の資金については状況を把握していても、子会社(特に海外子会社)の状況は、あまりできていないのが実態ではないでしょうか。

仕事上、日系の大企業のキャッシュマネジメントの状況を見てきましたが、「現地会社の資金については現地に管理を任せる」というスタンスでグループで資金繰りが最適化されていない、管理できていないケースが数多くありました。

キャッシュマネジメントもグローバル最適の時代へ

在庫管理、資材調達については、グループ会社間での情報共有の元、本社での一元管理が実行され、近年ではグローバルで最適化されているケースが多いかと思います。一方、企業の資金については、今がまさに発展途上の段階になっています。

キャッシュマネジメントについてもグローバルで最適化を初めて見てはいかがでしょうか。やり方は決まっているので、それほど難しいわけではありません。

資金のグローバル最適にはグループ間の資金融通が重要

資金のグローバル最適にはグループ会社同士が協力し合い、資金を融通し合うことが最も重要となります。

資金が余っている会社が資金を不足するグループ会社に資金を融通し、グループ内部の資金を活用します。こうすることで外部の借入を減らすことができ、資金効率を高まるのです。

次回以降の記事は、そのための具体的な手法であるインターカンパニーローンとキャッシュプーリングについて記載します。

インターカンパニーローンとは

キャッシュプーリングとは