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ベンチャー企業への転職の注意点

本日の記事は経理・財務・経営管理職としてベンチャー企業へ転職することについて、情報を整理したいと思います。

ベンチャー企業の種類について

まずはベンチャー企業の種類についてです。一概にベンチャー企業といっても、企業したばかりの小さなベンチャーから楽天やサイバーエージェントのような大企業並みの規模を誇るベンチャー企業まで様々あります。

ベンチャー企業への転職を考えるにあたり、まず、自分がどのステージのベンチャー企業へ転職したいのかを明確にしましょう。ベンチャー企業として共通する部分もありますが、成長ステージにより求められる役割が異なります。

ベンチャー企業の成長ステージによる分類

一般の転職市場に求人を出すベンチャーは主に5タイプに分かれます。

①創業・アーリーステージ :成長前で規模が小さいベンチャー
②軌道に乗り始めた段階:事業が成長の軌道に乗り始めたベンチャー
③成長中・上場予備軍:売上や人員規模が急拡大中にあるベンチャー
④上場ベンチャー:ジャスダックやマザーズに株式上場を達成したベンチャー
⑤メガベンチャー:大企業並みの規模に成長したベンチャー

①創業・アーリーステージ

創業・アーリーステージにあるベンチャーとはベンチャー企業の中でもまだ若く、少ない従業員数でビジネスを行なっている会社になります。売上:1〜3億円以下、従業員数:10名以下が主な目安となります。組織化された組織からはほど遠く、経理は専任を雇わず、社長が兼務している場合が多いです。また、社長ですら給与がほとんどない場合も多く、給与には期待ができない場合がほとんどです。

②軌道に乗り始めた段階

次は軌道に乗り始めた段階のベンチャー企業です。売上:2〜5億円以下、従業員数:10〜30名程度が主な目安となります。アーリーステージから抜け出し、会社が目に見えて成長しだしたのがこの段階です。徐々に経理等のバックオフィスの業務量が増え、この段階でようやく管理部門が設立されるようになります。しかし、目的はあくまで事務処理であり、経理については外注している場合も多く、仕事内容は経理雑務の域を超えない場合が多いです。

③成長中・上場予備軍

次は急成長中、上場予備軍のベンチャー企業になります。売上:5〜30億円以下、従業員数:30〜200名程度が主な目安になります。会社の規模が急拡大し、社長ひとりでは組織全体を見切れなくなるため、経営体制や組織の運営体制の整備を強化していくのがこの段階です。管理部門により社内ルール等が整備され、企業が組織らしくなります。外注している経理の内製化を考えるのもこの段階が多いです。特に上場を目指す企業においては、会計士や経理実務経験者等のスペシャリストが必要になり、経理人材の採用が活発になります。

④上場ベンチャー

次はマザーズやジャスダックに上場を果たしたベンチャー企業です。売上:50億円以上、従業員数:400名以上が目安となります。上場を果たしたベンチャー企業といっても、社内の仕組みは一般の大企業と比べると非常に低いレベルで、経理においては決算は問題なく挙げられるようになっても、財務や経営管理についてはほとんど整備されていないような状態が多いです。引き続き、管理部門の人員拡大は続き、採用も活発になります。

⑤メガベンチャー

最後はメガベンチャーと呼ばれる、売上・従業員数も東証一部上場企業並のベンチャー企業になります。事業の安定性や知名度も備えた上で、ベンチャー企業として成長を続けている企業です。楽天、サイバーエージェント、DeNA、GREE等がこれにあたります。この段階になると、管理部門の増加も落ち着いてきますので、採用は退職による人員補填や更なる事業拡大による採用となります。裁量労働制を採用している場合もあり、年収に関しては20代においては大手企業よりも高い場合が多いです。

経理・財務・経営管理の人材の果たす役割

これらの企業について、経理・財務・経営管理人材が果たす役割は下記です。

①創業・アーリーステージ :社長のアシスタント
②軌道に乗り始めた段階:経理事務
③成長中・上場予備軍:社内ルールの整備、経理体制の強化、上場準備
④上場ベンチャー: 経理・財務・経営管理体制の強化
⑤メガベンチャー:バックオフィスの効率化

急成長〜上場までの間で経理体制が強化される傾向

創業・アーリーステージ、軌道に乗り始めた段階では、経理・財務・経営管理人材をほとんど必要とせず、企業が急成長し始めて、はじめて経理体制の強化を始めることとなります。しかし、この段階でも必要な人員は経理処理や決算作業に関わる人員で経営管理や財務人員はほとんど採用されません。また、この段階では経理人員はバックオフィスの人員にすぎず、高い給与は期待できません。

上場以降に経営管理体制や財務が強化される傾向

管理部門の強化は上場後も続き、この段階で今まで手が回っていなかった経営管理や財務部門の体制が強化される傾向があります。上場を果たし、知名度や財務体質を向上でき、やっと質の高い人材を採用できるようになってくるのです。ベンチャー企業においては若いうちで役職がつくケースも多いため、大手企業で役職がつく前の35歳以下においては、年収も見劣りしない求人も増えてきます。

ベンチャー就職のメリットを享受するために

若いうちから要職を経験できるベンチャー企業への就職のメリットとなりますが、年収が低いといったデメリットや会社の安定性においてもリスクが存在します。

上場以降のベンチャーへの入社でリスクが抑えられる

それを考慮すると、④上場ベンチャーへ20代後半までに入社する、もしくは⑤メガベンチャーに新卒や第二新卒で入社するのが1番バランスのとれた選択肢と考えます。

上場ベンチャー、メガベンチャーであれば、企業の倒産や年収ダウンのリスクも限定的で、若いうちから経験を積めるというメリットを享受できるためです。⑤メガベンチャーにおいては比較的、内部の人材層も厚いため、新卒者等の長年在籍している社員と大きな差が出る前に入社するのが理想です。

ベンチャー就職の落とし穴

ベンチャー企業では若いうちから成長できると言われていますが、必ずしもそうではありません。確かに裁量は大きいものの、仕事の質は決して高くないのが大きな難点です。

ベンチャー企業の場合、経理・財務が高度化されていませんので、業務の多くが大企業では新人がやっているレベルの事務仕事なのです。特に経営管理や財務においては差が深刻です。

大企業で既に高度な実務手法を学び、単にアウトプットの場を必要としている人にはベンチャーは良い選択肢ですが、若いうちから経理を学びたいという目的でベンチャーに入社しても、高度なことは全く学べずに終わる可能性が高いです。

大手外資系企業という選択肢も検討してみては

ベンチャー企業への転職の場合、年収のみを考えると、大手企業に勤務し続ける場合と比べて、役員にやって初めて上回るような世界です。

単に実力をつけたいということであれば、大手外資系企業への転職という選択肢も検討していてはいかがでしょうか。大手外資系企業であれば、年収も高く、高度な業務を行なっている割に、大手日系企業と比べると人数も少ないため、インプットもアウトプットも高い環境に身を置けます。

それでもベンチャーに行きたいということであれば

それでもやりがい等を求め、ベンチャーに行きたいということであれば、個人で高度な知識をインプットをすること心がけてください。高度な経理・財務実務の知識については本サイトでも学ぶことができます。大手企業が行なっている高度な経理・財務実務に関する知識をみなさまに提供するのが本サイトの目的であります。今後は転職の記事だけでなく、実務の向上の記事もアップしていきます。