キャッシュマネジメント

キャッシュマネジメントの学習におすすめの書籍

財務について、コーポレートファイナンスの本はたくさんありますが、キャッシュマネジメントの本はめずらしいですよね。

そこで、キャッシュマネジメントを学ぶのにおすすめの本を5つ紹介します。

キャッシュマネジメントにおすすめの本

私の独断と偏見ですが、キャッシュマネジメントを学ぶのにおすすめの本です。

キャッシュマネジメント入門

キャッシュマネジメント全般を学ぶのにおすすめは「キャッシュマネジメント入門」です。


キャッシュマネジメント入門―グループ企業の「資金の見える化」

この本でキャッシュマネジメントにおける、財務マネージャーが必要としている知識や感覚を養うことができます。

キャッシュマネジメントに関わる実務だけでなく、リスクマネジメント、税務戦略、運転資本管理、資金調達、人材、ネットワークなど関連するポイントも記載されていて、難解なものよりもまずはこの本からスタートするのがおすすめです。難しすぎず、読みやすいです。

著者の西山茂氏は公認会計士で、監査法人トーマツで、監査、株式公開、M&Aコンサルを担当し、95年西山アソシエイツを設立されたそうです。

財務戦略立案・実行、経営管理体制構築、人材研修等が専門分野で、早稲田大学経営専門職大学院(ビジネススクール)の教授をされています。

CMS キャッシュマネジメントシステム入門


CMS キャッシュマネジメントシステム 入門: 国内CMSの導入と運営の手引き

こちらの本は国内向けのキャッシュプーリングの専門書になります。

内容は国内向けのキャッシュプーリング導入と運営の専門書ですが、学ぶべきはキャッシュプーリング導入により実現する企業としての財務管理のあるべき姿になります。

著者の中村正史氏は等松トウシュロスコンサルティング(現アビームコンサルティング)入社し、グループ経営・グループ財務管理の高度化をテーマに長年、事業会社向けのコンサルティングや、都市銀行、地方銀行のCMS構築支援に従事されたベテランのコンサルタントです。

キャッシュプーリングに知識のない方やキャッシュマネジメント入門が難しいと感じた方はこちらもおすすめです。

Kindle Unlimitedに登録されている方は、費用なしでダウンロードするだけで読めます。

グローバルCMS導入ガイド


グローバルCMS導入ガイド(第2版)

こちらの本はグローバルのキャッシュプーリングに関する書籍になります。

グループ・ファイナンス、ネッティング、支払代行・回収代行、為替管理一元化などのキャッシュ・マネジメントの基本施策から導入ステップまでを解説してくれています。

キャッシュプーリングの考え方から、有効なスキームの設計・導入方法までを豊富な図表や事例で紹介してくれ、グループ会社との合意形成をどのように図っていくかも紹介してくれています。

「AI(人工知能)」や「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」、「ブロックチェーン」の活用にも触れているのが他の本との違いです。

著者の松尾氏、岡部氏は日本アイ・ビー・エム株式会社で、自社や法人向けの経理実務を担当された方です。内容がグローバルCMSに関するもので、現代の財務マネージャーに求められるものが記載されています。

Kindle版がないのが残念ですが、グローバルキャッシュプーリングの書籍は少ないので、単行本版でもおすすめです。

連結経営実現のためのキャッシュマネジメント・システム


連結経営実現のためのキャッシュ・マネジメント・システム

同じくグローバルのキャッシュマネジメントの専門書になります。グローバル企業向けの資金管理効率化やガバナンスの高度化の仕組みを解説してくれます。

キャッシュ・プーリングだけでなく、ネッティング、支払代行、回収代行についてやそれぞれのメカニズムと運用のポイント、法的課題がまとまっています。

著者の福嶋幸太郎氏は大阪ガス(株)で、経理・財務業務に38年間従事された方で、金融子会社の社長もされていた方です。

同じくKindle版がないのが残念ですが、コンサルタントの方の書いた本よりも実務に近い情報が多く、読みやすくておすすめです。

トレジャリーマネジメント


トレジャリー・マネジメント

こちらはキャッシュマネジメントという実務の資金管理のノウハウだけでなく、より大きな財務マネジメント(トレジャリーマネジメント)という視点で金利、為替等の財務リスクや不正などの人的なリスクのマネジメント体制を解説した書籍になります。

経営的な観点で書かれており、マネージャーと実務を行うというよりも、トレジャラー(財務責任者)として、財務部門はどうあるべきかを考えるための書籍という位置付けです。

このような本は他になく、ビジネススクール等でもリスク管理については体系的に教えてくれないため、良書ではありますが、廃盤でなかなか売っていないのが難点です。