キャッシュマネジメント

キャッシュプーリングの仕組み①

近年、グローバルでの資金管理の強化の一環として、キャッシュプーリングを導入する企業が続々と増えていますが、それはどのようなものなのでしょうか?

グローバルでのキャッシュプーリングがどういった背景で広まったかという歴史とともに仕組みについて見ていきましょう。

キャッシュプーリングの歴史

企業の資金をグローバルで管理するというグローバルキャッシュマネジメントが進歩したのは1990年代後半に遡ります。

新興国の台頭を背景に、更なる販売機会の向上やコスト削減を求め、大手企業の海外進出が加速し、企業のグローバル化が特に進んだのがこの時期だったからです。

キャッシュプーリングは欧米からスタート

キャッシュプーリングという商品は、グローバルでの資金管理を加速したいという企業の要望により、米系の銀行によって開発されました。

これをいち早く導入したのは米系の多国籍企業で、この頃からグローバルキャッシュマネジメントの考えがスタートしたと言われています。

また、欧州系の多国籍企業においても、米系多国籍企業の後を追い、グローバルでのキャッシュマネジメントの高度化が始まりました。

しかし、1990年代当時の日本では定着せず

一方、日本の多国籍企業においては、一部の家電メーカーや自動車メーカーなどを除き、その動きは加速しませんでした。

日本において、グローバルキャッシュマネジメントが進んだのはほんの数年前で、今も欧米の多国籍企業よりも10年以上も遅れているとも言われています。

日系企業においては低金利かつメインバンク制の資金調達の慣習があり、利息負担の軽減よりも、メインバンクへの関係維持がより優先された時代だったのです。

2000年代になっても状況はあまり変わらず、、、

日系企業においては、2000年代に入っても状況はあまり変わりませんでした。

一部、キャッシュプーリングの導入が進んだとしても、日本のみ、米国のみ、ヨーロッパのみといった限定された地域のみでの導入が主だったと思います。

「本日時点のイギリス、香港の子会社の外貨の残高を確認する」「アメリカから日本へ資金をデイリーで移動する」などグローバルな視点での資金管理は行っていなかったのです。

そもそも、日系企業が外資系銀行と取引することは稀でしたし、キャッシュプーリングの商品を導入するという考えなど毛頭にありませんでした。

グローバル化とともに日系企業に変化が訪れる

しかし、経営がグローバル化するにつれ、2010年台前半より少しずつ状況が変化します。

徐々に日系のグローバル企業がグローバルで資金を管理するツールとして、グローバルキャッシュプーリングを導入し始めたのです。

人事制度の変化により、海外ビジネスを経験した人材が経営幹部に登用され、海外の多国籍企業の良い部分を取り入れる動きが加速したからです。また、海外M&A等を通じて、外資系金融機関への抵抗がなくなって来たことが背景にあると見ています。

日本でもグローバルでの資金管理がようやくブームに

先進的な日系企業の取り組みのおかげもあり、今では多くの日系企業がグローバルでの資金管理の強化に注目しているようです。

そして、グローバルキャッシュプーリングの導入件数も増えています。

近年は邦銀の商品開発も進み、日系企業でもグローバルキャッシュプーリングの導入へのハードルが低くなっているのです。

キャッシュプーリングの仕組み

グローバルでの資金管理を強化するために有効なキャッシュプーリングとはどのようなものなのでしょうか。いよいよ、仕組みについて見ていきます。

キャッシュプーリングとは

キャッシュプーリングとはグループ会社間で資金を共有し、資金融通を効率的に行うための仕組みになります。

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https://note.mu/gnz8/n/n61840a302283

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