キャッシュマネジメント

キャッシュプーリングの利息計算

本日はキャッシュプーリングの利息の計算に関する記事となります。

キャッシュプーリングの利息の計算を理解するには、キャッシュプーリングの仕組みを理解する必要がありますので、前回までに2回に渡って記載した仕組みの記事の理解と合わせて、知識の習得を進めていただければと思います。

財務に強い・実務に強いとは何か

財務に強い、実務に強い財務マネージャーは何が優れているのでしょうか。

財務戦略に関しては、専門知識があまり浸透していないため、トレジャリーマネジメントに対する適切な知識があり、実務の高度化のための長期的なビジョンが描けるというだけで大きなプラスとなりますが、それだけではありません。

特に銀行交渉の実務の場では、数字に対する感性が必要とされ、適切なレート交渉ができることが必要となります。

 

実際に財務の高度化に携わり気づいたことは、やはり、財務(トレジャリー)に強いマネージャーは数値に対する感性にも優れていて、銀行に対して適切な交渉ができるということです。

利息に対する感性を養う

利息の感性を養うためには、常に適正レートがいくらであるかを考える必要があります。

例えば、銀行から日本円を調達しようとする際は、通常、TIBORといった基準金利にスプレッドをいくら乗せるかで決まりますが、このスプレッド部分は借入の信用度で変化します。

格付けが高ければ高いほど、借入の期間が短ければ短いほど、信用リスクは低くなりスプレッドは下がります。銀行交渉の際に参考とすべきは、格付けが同じくらいの他社や似たような条件の際にどれくらいのスプレッドで借入を行なっているかになります。

親会社がこれくらいのスプレッドで調達できているので子会社もこれくらいでできるのではないか、社債がこれくらいだったので、銀行借入もこれくらいでできるのではないか、そのような前提知識があって、やっと有益な交渉ができるのです。

金融商品の仕組みをきちんと理解する

利息に対する感覚を養うために、きちんと金融商品の仕組みを理解することが重要です。

商品が複雑になればなるほど、理解するのを怠ってしまい、相見積もりの結果を信用しがちですがそうではいけません。財務に強い、利息に強いマネージャーは適切なレート交渉ができるまで金融商品の仕組みを理解するのです。

キャッシュプーリングの利息計算

では、本日のテーマであるキャッシュプーリングの利息計算の記事をスタートします。

キャッシュプーリングの仕組み

まずは前回の復習になりますが、キャッシュプーリングにはキャッシュプールヘッダーに貸借が発生する「シングルエンティティ型」と自社の預金のままキャッシュプールに預ける「マルチエンティティ型」があります。

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https://note.mu/gnz8/n/n84d424dfaaf2