キャッシュマネジメント

キャッシュプーリングの銀行選定

本日の記事はキャッシュプーリングの銀行への影響と銀行との交渉を進めるコツについてになります。

キャッシュプーリングは既存の銀行関係を大きく変える

キャッシュプーリングは既存の銀行関係を大きく変えるものとなります。特に借入や資金の運用に関してです。

キャッシュプーリングの導入前においては、現地のグループ会社は事業の運営に必要な資金を現地の銀行に預金したり、現地の銀行から借り入れを行い、資金繰りを行なっていました。

しかし、キャッシュプーリングの導入後においては、資金が余る場合はキャッシュプールに預け、資金が足りなくなる場合はグループの資金を活用するためにキャッシュプールから資金を引き出すことになります。

そのため、原則、すべての取引はキャッシュプーリング銀行に集約され、現地の銀行との銀行取引は無くなることになるのです。

キャッシュプーリングの導入に対して圧力がかかる場合も

現地の銀行との預金取引がなくなることは、ビジネス自体にも影響する場合があり、場合によってはキャッシュプーリングの導入に社内外から圧力がかかる場合もあります。

ビジネスへの影響については直接的に貢献している場合と間接的に貢献している場合がありますので注意が必要です。例えば、銀行が自社の顧客となっている場合は直接的に売上に影響しますし、銀行が顧客獲得に貢献している場合や取引において銀行保証を利用している場合などは間接的にビジネスに影響します。

また、キャッシュプーリングを導入して、銀行の収益を減らすこと自体にメインバンクが懸念を示し、与信枠や株式を盾に銀行収益を減らすことに圧力がかかる場合もあります。

特に、CFOにとって手元流動性の担保は一番優先すべき課題であり、リコール問題や不買運動等の不可抗力で、資金調達力が高い大企業においても、手元流動性が枯渇し得る状況を考えるとメインバンクのような親密銀行の圧力は無視できない問題となります。

この調整を行うのが財務マネージャーの役割

キャッシュプーリング導入は銀行関係において、センシティブな問題となりますが、これにうまく対応し、良好な銀行関係を維持したままキャッシュプーリングを導入するのが、財務マネージャーの仕事となります。

今回の記事では、メインバンクのような親密銀行から取引の薄い銀行に対して、キャッシュプーリングの導入がどのような影響を与えるのかを整理し、社内外の圧力に対処するコツを記載します。

いいアイデアは実行して初めて利益を産み出します。絵に描いた餅で終わり、悔しい思いをしないよう、キャッシュプーリングの導入の前に本記事をお読みください。

続きは下記のリンクをご覧ください。

https://note.mu/gnz8/n/naca2336e9056