キャッシュマネジメント

インターカンパニーローンとは

前回の記事にて、企業グループの資金効率を高めるには、グループ会社同士が協力し合い、資金を融通し合うことが重要と説明しました。本日はグループ会社間での資金の融通の手法であるインターカンパニーローンについて説明します。

インターカンパニーローンとは

インターカンパニーローンとは同じ企業グループ内での資金の貸借となります。A社からB社に資金の貸付を行う場合、A社とB社が同じ企業グループ(トヨタ自動車、日立、パナソニック等)に属している場合、その貸借はインターカンパニーローンとなります。

インターカンパニーローンの中でも親会社が子会社に貸し付けるローンは “親子ローン”と呼ばれ、子会社が親会社に貸し付けるローンは “子親ローン”と呼ばれます。

インターカンパニーローンの利点

インターカンパニーローンの利点は企業グループ内で資金を融通し合うことで外部の借入を減らし、グループの資金効率を高めることができる点です。

例えば、資金の余っているA社が資金不足のB社に貸付を行うことで、B社は銀行等の外部からの借入をする必要がなくなります。

インターカンパニーローンにも利息はつきますので、資金を借り入れたB社はA社に利息を支払うことになりますが、あくまでグループ内部の取引となり、資金が外部に流出することがありません。

また、グループ内取引であるインターカンパニーローンは連結で見ると債権・債務で貸借を相殺するため、バランスシートもスリム化できます。

この先説明するキャッシュマネジメントの高度化ではインターカンパニーローン等のグループ内での資金融通を最大限行い、資金効率を最大化させる手法を紹介します。

インターカンパニーローンの欠点

企業グループ内の資金効率を向上できるインターカンパニーローンですが、欠点や注意点もあります。

実行に時間がかかるため、短期の貸付に不向き

通常のインターカンパニーローンの欠点の1つは契約締結までに時間がかかるため、短期間の貸付に向かないという点です。

インターカンパニーローンの実施の手順は下記のようになり(詳しくはNote記事内で解説)

【グループローンの手順】
1. グループローンの企画(どこからどこに、どの期間、いくら貸すのか)
2. 詳細条件の調整(利率、返済条件)
3. 契約書に調印
4. 資金の送金

特に 3.契約書に調印というステップにおいて、調印前に社内で稟議書を回覧させる必要があるため、大企業の場合はそこで多くの時間がかかってしまいます。

社内手続きのために、インターカンパニーローンの貸付期間が長期化してしまうことは、グループ内の資金融通の妨げとなり、資金効率を損なう原因になります。

税務リスク・法務リスクを伴う

また、インターカンパニーローンを実施する際には、税務リスク・法務リスクにも注意を払い実行する必要があります。

【注意すべき税務リスク・法務リスク】
1. 利率の設定に関わる移転価格上のリスク
2. 過小資本税制に関わるリスク
3. 各国の規制に関わるリスク

税務リスク・法務リスクを伴うと記載しましたが、これらのリスクに対処する方法は比較的簡単ですので、記事を読んで、論点にについて理解していただければと思います。

本日の記事の内容

本日の記事ではグループの資金効率の向上のためにインターカンパニーローンを実施するための手順と、インターナルローンの欠点への対処法を記載したいと思います。

詳しくは下記のリンクをご覧ください。

https://note.mu/gnz8/n/n7f4d1ac0dd37